男の子と女の子

 1968年7月28日、本日は快晴で、なんとやら雲一つない。5時58分起床。朝ご飯を自分で作って食べた。昨日の残りの肉があったので、レタスと一緒に炒めて簡単な野菜炒めを作って食べた。今日は2コマ目から彼女は授業の日だった。時間になるまで待機する。彼女はいつも20分前に必ずアパートを出て行って、授業終わりの10分後には必ずアパートへと戻ってくる。その時刻は、本日は10時で、それが1秒たりともずれたことはない。

 ガタンと扉が開く音が聞こえたので、定位置に着いた。狭い。見ると、すでに彼女は部屋のカギをしまい終わっていた。急げ。間に合った。目を見張る。今日も右足から階段を降りる。今日の服装は白いワンピースにサンダルだ。彼女が歩いたそのあとは、水色の空気へと浄化されているように感じる。夏の日光が彼女の二の腕を照りつけ、ぺかぺかと輝かしく反射している。彼女の髪が、朝の風に吹かれて日本国旗のように美しくなびく。

 その時間は30秒となかった。気づいた頃にはもう彼女はいなかった。残った物は、静かに、井上陽水の『招待状のないショー』だった。僕は準備を整えて、大学へ行くことにした。音楽は流したままにしておいた。

 「今日もきれいだったな」 

 「・・・」

 独り言をつぶやいた。